経営管理ビザを取得した方が注意すべき資格外活動の内容や許可申請の方法

経営管理ビザ取得後は、立ち上げた会社の業績を伸ばすために尽力しなくてはなりません。しかし当初の予定通りに売り上げが伸びないこともあるでしょうし、予想外の支出が発生することや融資が受けられないことなど、様々な要因により経営状況が悪化してしまうことも珍しくありません。

ただ、ここで注意したいのが「資格外活動」に関することです。

傾いてきた会社のために資金を集めようとアルバイトなどをしてしまうと、その行為が違法であると評価され刑罰を科せられることもあるのです。

以下では経営管理ビザにおける資格外活動とは何か、どのような行為が資格外活動となり、その結果どうなってしまうのか、対処や手続等も解説していきます。

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経営管理ビザで資格外活動になるパターン

最初に、経営管理ビザで資格外活動になるパターンを見ていきましょう。

他の会社でお金を稼ぐために働く

会社が上手くいかなくなったとき、「経営をしつつ、他の会社の従業員となり給料を得ることはできないだろうか」ということを考えてしまいがちです。

しかし、日中会社の経営をしつつ、夜中にアルバイトをするという場合であってもこれは資格外活動に該当してしまうため認められません。

勝手にアルバイトをしていると刑罰(後述します)の対象にもなるため絶対に避けなくてはなりません。

そのため売り上げが発生せず会社の収入がゼロであれば、事務所の賃料や役員報酬、従業員への給料などは事前に払い込んでいた出資金を切り崩しながら使っていくことになります。

ビザなど関係なく、日本人が日本で起業をする場合だと夜間アルバイトをしつつ普段は会社経営をするというケースも珍しくありませんが、当該ビザを取得して日本にやってきているのであればこうしたやり方は採用できませんので注意しましょう。

報酬を得て経営について大学で講義する

上の例のように、アルバイトは誰かが経営する会社の従業員として働くことを意味するため、経営管理ビザで許された活動範囲の外にあります。

それでは経営や管理に関することであれば何をしてもいいのでしょうか。自ら立ち上げた会社の経営に直結することしかできないのであればかなり動ける範囲が限られてしまいます。例えば経営者としての肩書で活動をするということは会社の宣伝になることもありますし、間接的に経営に利益をもたらすことも多いです。

この点、すべてが禁止されるわけではなくケースバイケースで考えるものもあれば、特定の行為に関しては明確に禁止されていることもあります。
例えば「報酬を得て経営について大学で定期的に講義をする」といった行為は経営管理ビザを取得して日本で活動している外国人には認められません。

資格外活動にあたります。経営に関する仕事であるため問題ないようにも思えますが、この活動は「教授」と呼ばれる別の資格を要する行為でもあるのです。そのため資格外活動の許可を得る、もしくは教授のビザに切り替えるなどしなければ違法となります。

例えば「技術・人文知識・国際業務」の在留資格をもって企業で働いている従業員がいたとします。企業活動の一環として、大学で毎週講義をすることもあるかもしれませんがこの活動は認められません。経営管理ビザ取得者に限らず資格外活動として扱われます。

ただし「教授」と言えない活動であれば実質的に似た行為であっても問題ないこともあります。例えば経営管理ビザで会社経営をしている外国人が、商工会議所主催の経営セミナーで経営コンサルタントを行う場合です。本人が普段コンサルタントを主な業務としておらず、さらに謝金を得ていたとしても資格外活動には該当しません。許可は不要です。

本来、経営管理ビザに属しない活動で報酬を受けることは認められませんが、業として行っていない講演に対する謝金であればここで言う報酬からは除外して考えることになっているのです。
大学で毎週企業活動の一環として講義を行って報酬を受け取るのと、業務とは別に経営者個人がセミナーに登壇する行為は別のものとして扱うのです。

配偶者に手伝ってもらう場合にも注意

経営管理ビザで経営をしている方は、身近な人が資格外活動をしないように配慮する必要もあります。特に経営者であれば人を雇うこともできてしまいますが、不用意に人を雇ってしまうと知らず知らずのうちに資格外活動をさせてしまっていることもあるのです。

このことは自身の配偶者であっても同じです。配偶者は、個別に就労のビザ等を取得していないのであれば、「家族滞在ビザ」によって日本で生活していることが考えられます。そしてこの資格で認められている活動は、日常的なものに限られています。炊事洗濯や生活を維持するための基礎的な行為のみです。

逆に言うと教授や経営、医療、研究、技術、技術、国際業務、技能、文化活動、留学などに該当する行為は別途それぞれの在留資格が本来は必要で、家族も何か活動をする場合には資格外活動にあたらないかどうかを意識しなければなりません。

そのため、経営をしている本人がその配偶者に手伝いをしてもらおうと思っても簡単に任せることはできません。報酬を受ける活動に従事する場合には資格外活動許可が必要になります。

経営管理の資格外活動許可のイメージはパートタイムの許可証

資格外活動と、自身が取得している在留資格で認められていること以外の活動を指します。そのため「資格外活動許可」は、経営管理ビザを取得している人で言うとパートタイムの許可証としてのイメージがしっくりくるかと思います。

厳密にはパートタイムに限らず、「収入を伴う事業を運営する活動」や「報酬を受ける活動」を本業とは別に行う場合には資格外活動許可が必要になります。このときの事業に関しては営利目的かどうか関係ありません。

営利を求めて活動をしていなかったとしても資格外活動に該当し得ます。

許可が下りてないのに、働いてしまうと不法就労

許可を得ないままアルバイトをしてしまうとどうなるのでしょうか。

実は刑罰を科せられ、場合によっては懲役刑の判決を受けて刑務所に入れられる可能性もありますし、日本から強制的に退去させられることもあります。

具体的には、「許可を受けず資格外活動にあたる活動を専ら行っていると明らかに認められる場合」3年以下の懲役もしくは禁錮、もしくは300万円以下の罰金に処されます。しかも懲役・禁錮および罰金を併せて科せられる可能性がある上に、退去強制事由にも該当するため自国に追い返されることがあるのです。

不法就労しているときの罰則にはもう一つパターンがあります。上の例のように「明らかに認められる」とは言えないもののルール違反をして不法就労している場合には、1年以下の懲役もしくは禁錮、もしくは200万円の罰金に処するとされています。

「明らかに認められる」場合と比べると軽くは設定されていますが、それでも重い罪であると言えます。さらにこのとき、次回の在留期間更新において不許可とされる可能性が非常に高くなるため、刑罰という面においてだけでなく、今後の経営にも影響してくるため資格外活動をするのはリスクの大きな行為であると言えるでしょう。

きちんと許可を受けてからでなければアルバイト等をするべきではありません。

資格外活動許可証の申請方法

ある特定の在留資格を取得した場合でも、資格外活動許可申請をして許可が下りれば、現在保有している資格の活動範囲外のことでも行うことができるようになります。

経営管理ビザにおいても例外ではありません。

そのため会社の経営や管理業務以外を行い、その活動により収入や報酬を得ようとするのであれば申請手続きを取るようにしましょう。

以下ではその申請方法に関して説明していきます。

申請者

まずは誰が申請者になれるのか簡単に紹介します。

申請できるのは以下に該当する者です。

  • 申請人本人
    つまり資格外活動をしようとする外国人本人のことです。
  • 申請の取次の承認を受けており、申請人から依頼を受けている者
    取次の承認を受けている者とは「申請人が経営している機関又は雇用されている機関の職員」「申請人が研修又は教育を受けている機関の職員」「外国人の円滑な受入れを図ることを目的とする公益法人の職員」などのことです。
  • 地方出入国在留管理局長に届出をしている弁護士や行政書士で、申請人から依頼を受けている者
    弁護士や行政書士であれば誰にでも申請を依頼できるわけではありません。一定の届出を済ましている者でなくてはなりません。
  • 申請人本人の法定代理人
    法定代理人とは、法律で定められた代理人のことです。任意代理人以外の代理人と考えるといいでしょう。任意代理人は当事者の契約によって本人らが自由に設定できる代理人のことです。

申請に必要な書類

申請の際、以下の書類を準備しましょう。

  • 申請書
  • 当該申請に係る活動の内容を明らかにする書類
  • 在留カード(在留カードとみなされる外国人登録証明書を含む)
    申請人以外の方が申請を行う場合、この在留カードの写しを申請人に所持させる必要があります。
  • 旅券または在留資格証明書
    ただしこれらは必須ではなく、提示ができなければその理由を記した理由書を準備します。

また、申請取次者が申請を提出する場合には身分を証する文書等が必要となります。

出入国在留管理局へ提出

準備ができれば実際に申請を行うため、上の書類を提出します。

申請先は住所地を管轄している「地方出入国在留管理官署」または「外国人在留総合インフォメーションセンター」です。

東京・大阪・名古屋・横浜・仙台・神戸・広島・福岡に各地方出入国在留管理局があり、出張所も多数設置されています。

インフォメーションセンターは日本語だけではなく英語や中国語、韓国語、スペイン語等にも対応しています。

受付時間は、全国的に平日午前9~12時と午後1~4時となっていますが、曜日や時間が設定されている場合があるため詳しくは管轄の地方出入国在留管理官署または外国人在留総合インフォメーションセンターに問い合わせしてみましょう。

手数料は必要ありませんが、申請後は標準処理期間として定められている2週間〜3ヶ月はかかると考えておきましょう。そのため資格外活動許可の申請を検討する場合にはなるべく早期に対応するよう心がけましょう。

経営管理ビザがないのに会社経営をすることも資格外活動になる

当たり前なのですが、経営管理ビザがないのに会社経営をすることも資格外活動につながります。

経営管理の資格外活動許可もある

経営管理ビザを取得した人はアルバイト等をする場合には申請を行う必要がありますが、逆に他のビザで活動をしている人は会社経営を自由にすることができません。

そこで就労ビザを取得している人が経営をするには「経営管理」の資格外活動許可を受ける必要があります。

例えば「技術・人文知識・国際業務」のビザを取得して普段企業で通訳業務をしている場合、すでに従業員として働く資格を持っているため休日に通訳のアルバイトをすることは問題となりません。

ただしその方が通訳業務に関する会社を立ち上げて経営をするのであれば経営管理の資格外活動許可を得なければなりません。

現在は従業員として働いているものの将来的には独立して自分の会社を持ちたいと考えるのであれば、資格外活動許可を得て休日に会社経営をしてみることも検討してみてもいいでしょう。

経営管理ビザの資格外活動まとめ

経営管理ビザの資格外活動に関する解説をしてきました。どのようなことが資格外活動にあたるのか、どのような処罰が下されるのか、イメージができたかと思います。

資格外活動を勝手にして収入等を得ていると強制的に退去をさせられることもありますので、まずはきちんと法律上定められた手続きを経るようにしましょう。申請に関して分からないことがあれば行政書士などの専門家に相談し、できるだけミスなどもないようにすべきです。特に経営管理ビザの資格外活動は許可を得るのが難しいと言われていますので、プロに任せるようにしましょう。

行政書士などに依頼した場合、各事務所によって具体的にどのような対応をしてくれるのかは異なりますが、一般的には出入国在留管理局へ直接出頭する手間が省けたり、書類の作成から取り寄せ、受取りまでを任せられたりします。

また出入国在留管理局は混雑していることが多く、長時間待たされるということも珍しくありません。この過程を依頼できることで、自身は本業である経営等に専念することが可能となります。書類作成等に関しても、複雑な内容を一つ一つ理解して処理していく必要がないため下調べの時間が必要なくなりますし、事務的なミスも防ぐことができるでしょう。

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