「経営管理ビザの申請で理由書は必要?作成方法やポイントを紹介」

経営管理ビザを取得しようとすれば様々な書類を準備しなければいけません。

申請にかかる手続も多くあります。当然、ビザ取得に直接係る在留期間更新許可申請書の提出は必須です。

その他必要書類も法務省の公式ホームページ等を見ればすぐに確認できます。
しかし掲載されているのは必要最低限の情報であり、ビザ取得を成功させるために、他に何を提出すべきか、といったことまでは分かりません。

そこで、ここでは単に必要書類を説明するのではなく、経営管理ビザ取得において重要となる「理由書」に関してその書き方や注意点などを解説していきます。

ぜひ、ビザ取得に役立てていただければと思います。

経営管理ビザ取得に理由書が必要な理由

まずはなぜ経営管理ビザ取得に理由書が必要なのかをご紹介します。

そもそも理由書とは?

理由書は、経営管理ビザの申請時に提出するものです。ビザの申請書に関しては決まった内容を記載して提出するだけですが、理由書は経営管理ビザを取得する理由を自由な形で記載するという違いがあります。

また事業計画書も申請において重要な資料となりますが、理由書はより自由度が高く、厳密に何を記載するものなのかも決まっていません。

当然、理由書と呼ばれるからにはビザ取得を希望する理由が記載されますが、その理由をどのように記すのかは人によって違いますし書き方にルールなどもありません。

つまり、理由書とはビザ取得に関する何かしらの理由を記載する書類一般を指します。

補足説明のために準備する

ビザの申請で、必ず提出しなければならない資料だけでは情報が十分ではないこともあります。そこで理由書が利用されます。補足説明をするために準備するのです。

理由書を提出することで、形式の決められた書類だけでは伝わらない申請人側の状況を入管の審査官に詳しく説明し伝えることが可能となります。しかし自由な書き方ができる分、伝え方が上手いと有利になる反面、かえって不利に働いてしまう可能性もあります。そのため必須資料ではないからといって吟味もせずに作成してしまわないようにしましょう。

必須でないからこそ、使いどころも重要になってきます。

例えば過去に退去強制にあった事がある場合や不許可になっていたなどの事情があればビザの取得は難しくなってしまいますが、その背景には何があったのか理由書で説明すれば不利な状況を緩和することができるかもしれません。

また理由書は、申請に必須とされる提出書類が用意できない場合に求められるケースもあります。この場合は必要書類が提出できない理由を説明しなければいけません。

会社概要の代用としても利用

理由書は様々な情報の補足説明として汎用的に利用ができますので、例えば経営管理ビザにおいては会社概要を詳細に伝える資料としても使うことが可能です。

特に会社を設立した当初だと会社案内の資料が作成されていないことが多いです。単に資本金額や従業員数、役員情報などを載せるだけでは審査する側も会社の実態が掴みにくいため、理由書をこの会社案内の代用とすることで概要と伝える役割を果たすことが

できます。そこで、どのような理由があって事業を開始したのか、そして今後はどのような展開を想定しているのか、予定なども説明していきます。

起業の理由等を記載することは、マネーロンダリングの可能性を排除するためにも役立ちます。

経営管理ビザの審査においてはマネーロンダリング、つまり不正なお金の流れが発生しないかどうかが重要となります。自分で会社を立ち上げれば比較的自由にお金の流れを操作できるようになり、不正の目的でビザを取得する人もいるからです。起業の動機がしっかりと説明でき、本当に日本でビジネスをしたい人だと思わせることができれば理由書を提出した価値があると言えるでしょう。

事業計画書でも似たことを記載するかと思いますが、理由書を提出するのであればそれぞれに記載する内容は区別する必要があるでしょう。

ただ出せば良いというものではありませんので、事業計画書と完全に被った内容では意味がありません。事業計画書に載せるべきでない情報を補足的に載せたり、事業計画書では説明しきれなかった部分を補足するために利用したりします。そのために理由書が必要なのです。

経営管理ビザの理由書に書くべき内容

理由書には会社名やその所在地、代表者名、表題など基本的な事項を記載のうえ、以下の内容を押さえて作成していくといいでしょう。

経営管理ビザの取得という観点から言えば、まず在留資格に該当する活動であることのアピールや、その活動が安定して継続できることのアピールをすることが大切と言えるでしょう。

経営管理の在留資格該当性

在留資格該当性とはつまり、申請人がしようと考えている活動が「経営管理」で定められている活動内容を一致しているかどうかを意味します。

ここが一致していなければ経営管理ビザを取得したところでその活動をすることはできませんし、審査で許可が下りることはありません。

自分がしたい活動はまさに経営管理に該当する内容であり、だからこそ経営管理ビザを取得する必要がある、と説得する内容を記載します。

経営管理では、日本において「事業の経営を行うこと、または当該事業の管理に従事すること」が活動内容として認められます。
そのため、例えば「申請人は、代表取締役社長として弊社の経営全般を行い、主業務である弊社取扱商品の仕入れ・販売業務における総責任者としての職責を担う予定」などと記載します。

ここでポイントとなるのは、主な活動が経営であるということのアピールです。基本的に現場業務を主として行うことは認められませんので、会社の経営に関する仕事、責任者としての仕事をメインで行う旨アピールしなければなりません。

活動内容の書き方によっては「技能・人文国際」、「企業内転勤」等の在留資格に該当してしまうことがありますので、前提として自分のしたいことが経営管理の範囲内であることを確認し、理由書に活動内容と経営管理ビザが合致していることを記載しましょう。

経営管理の基準適合性

経営管理の基準に適合していることのアピールも大切です。

在留資格にはそれぞれ申請人および設立した会社がクリアすべき基準が定められています。具体的な活動内容がその在留資格に合っているかどうかは前項で説明しましたが、ここでは形式的な要件をクリアしていることを明確に示すことになります。

例えば経営管理ビザでは以下の事項に該当していることが求められます。

  • 日本に事業所があること
  • 事業規模が下の①②③のいずれかに該当すること


①:会社の経営または管理に従事する者以外で、日本に居住する2人以上の常勤職員がいること。なお、ここで言う職員に含むことができる外国人は「永住者」や「定住者」、「日本人の配偶者等」でなければなりません。
②:資本金額など、出資総額が500万円以上であること
③:①または②に相当する規模であると認められること事業の「管理」に従事する場合には、その申請人が経営・管理に関して3年以上の実務経験を有しており、かつ、日本人と同等以上の報酬を受けること

そこで例としては「弊社は○○年○○月○○日に資本金額500万円で設立しました。出資に関しては全額申請人によるものです。」などと記載します。

これにより上の2項目、事業規模が「資本金額など、出資総額が500万円以上であること」をクリアしていると示します。

事業の安定性継続性

経営管理ビザを取得するためには、事業が安定して継続できることが必要です。

ただ、まだ事業が始まっていない会社であるため審査官も予想で判断することになります。ここでの予想をより現実的に行うため、申請人側は資料を出さなくてはなりません。

事業計画書は安定性や継続性を示すために最も重要となるものですが、ここに記載しきれない部分は理由書に記載して補足していくことになります。

例えば

「食料品等の輸出入やインターネットを利用した通信販売、貿易業などを事業内容とし、その他にも売買および売買の代理業、問屋業仲介業などを行います。食料品の輸出入に関しては知見が深く、安価に仕入れるための方法や知識を有しています。また本国における人脈を活かし・・・」

などと記載していきます。具体的にはその本人のスキルや経歴等を存分にアピールした内容で構成を立てていくことになります。

ポイントは、自分のこれから始める事業により利益が出せそうだと説得できる内容に仕上げること、そしてその利益が一過性のものではなく、今後続いていきそうだと思わせることです。事業計画書にも通ずることですが、これらをアピールするためには自身の主観的内容は避け、できるだけ客観的事実・実績などと絡めて作成していくことが大事です。

経営管理ビザの理由書を書くポイント

では経営管理ビザの理由書を書くポイントをご紹介します。

嘘は書かない

当たり前のことですが、嘘は書かないようにします。この嘘とは、明らかな経歴詐称やありもしない実績を記載するといったことだけでなく、自身の主観に関わることも含みます。

例えば起業の動機や、日本で活動することに対する意気込みなどは相手方が資料から真実を知ることが難しいため嘘はつきやすいですが、嘘をついていると質問などをされたときにぼろが出る可能性があります。

その嘘自体大きな問題でなかったとしても、印象は非常に悪くなりますし、他の事実にまで疑いをかけられるかもしれません。

結果的に不許可となるなど、取りかえしのつかないことになるおそれがあるため、嘘は絶対に書かないようにするべきです。

理由書の枚数

理由書の枚数も基本的には自由です。

何を記載するのか、内容によっても変わりますので一律に「〇枚が良い」と言うことはできません。しかしわざわざ理由書という資料を作成して提出することの意味を考えれば、起業の動機や日本で開業したい理由等を数行で済ますのは不十分だと言えるでしょう。簡単に記載するだけなら事業計画書などでも十分です。

ただし多く書けば書くほど良いわけでもありませんので、10ページにも渡って作成する必要はないでしょう。審査官がチェックするときの労力なども考慮し、2,3ページに簡潔にまとめるのが適当です。

誰かに添削をしてもらった方がいい

理由書は何度か添削をしてもらうべきです。自分一人で作成をしていると気が付かないことも、別の視点を取り入れることで気づくことがあります。また、思いつかなったアピールの仕方をアドバイスしてくれるかもしれません。

事業仲間がいればその人たちに助言を求めてもいいでしょう。

しかし最終的には経営管理ビザに関する専門家にも添削してもらうようにしましょう。ビザの取得要件を満たすようなアピールの方法、事業内容と経営管理の該当性、事業の安定性および継続性を審査官にどのように示すのが効果的かアドバイスしてくれるでしょう。

行政書士事務所などに依頼すれば各種資料の準備を任せられますので、そのサービスの一環として理由書の作成を手伝ってくれないかと相談してみましょう。

理由書があった方がスムーズに審査が通ることが多い

すでに説明をしたように、ビザの審査において基本的に理由書は提出をしないといけないものではありません。

そのため理由書を提出した方が良いのかどうかは、ケースバイケースであり、各申請人の状況によって個別の判断を要します。

ただ、全体の傾向としては理由書を添えた方が、審査がスムーズに通りやすいと言われています。申請する在留資格に該当することの証明責任は申請人側にありますので、ただ求められた資料を提出すればいいという考え方ではなく、積極的に判断材料となる資料を提供するつもりで作成するといいでしょう。

まとめ:経営管理ビザ取得には理由書を作ろう

経営管理ビザ取得のために理由書を提出したほうが良いということをここで説明しました。どのように作成すると良いのか、何がポイントとなるのか簡単に紹介しましたが、重要なのは自分に合った理由書を作成することです。

専門的な内容も含むことになるためなかなか作成が難しいかもしれませんが、そのような場合は専門家の力を借りるようにしましょう。

行政書士事務所では理由書の作成だけを依頼できることもありますし、ビザの申請手続まで含めたトータルサポートを実施していることもあります。信頼できる事務所を探して具体的にどのようなサポートをしてもらえるのか聞いてみるといいでしょう。

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