経営管理ビザの期間についてプロが解説【何年許可がおりるの?申請にはどれくらいかかるの?】

経営管理ビザの申請はどれくらい期間が必要なの?と不安に思っている方もいるかと思います。

ここでは経営管理ビザの期間について「許可が下りる期間」「申請にかかる期間」「更新にかかる期間」などを解説していきます。

各手続にかかる期間が分かることでスケジュールを組みやすくなり、各過程ですべきことが見えるようになるでしょう。

また、不許可とならないために注意すべきことも紹介しておりますので、経営管理ビザの取得を考えている方はぜひチェックしてみてください。

経営管理ビザの在留期間はどのくらいなの?

経営管理ビザの在留期間については、出入国在留管理庁(入管庁)のホームページに情報が掲載されています。

令和元年11月に更新された在留資格一覧表では、以下のように期間が区分されています。

期間が長い順から

  • 5年
  • 3年
  • 1年
  • 4ヶ月
  • 3ヶ月

となっています。

経営管理ビザによる在留が許可される場合、この期間のいずれかが適用されることとなります。

当然、期間が長いほど更新の頻度が少なくて済み、手続の負担や更新不許可に対する不安も少なくて済みます。ただし在留期間が長くなるほど許可へのハードルは高くなります。

一般的には、最初に許可される在留期間は「1年」であることが多いです。

その後更新を続け経営等を行う企業が安定することで、1年から3年へ、といった具合に長い在留期間が認められやすくなっていきます。

複数回の更新を続けるだけで「3年」や「5年」の在留期間が確定されるというわけではりません。

経営管理ビザという在留資格の性格上、経営等をする会社の事業状況などをもとに総合判断して更新期間が決せられます。

なお、経営管理ビザとは「本邦において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動(この表の法律・会計業務の項に掲げる資格を有しなければ法律上行うことができないこととされている事業の経営又は管理に従事する活動を除く。)」をすることを目的とした在留資格です。

例えば日本で起業をして経営者になりたい者や、その事業における管理業務を担当する場合などに取得を考えることとなります。新しく会社を立ち上げる場合のみならず、すでに存在する日本の会社の経営者・管理職等に就任する場合、合併などにより日本企業の経営権を取得して経営や管理をする場合などにも該当します。

4ヶ月、3ヶ月の意味

年単位の在留期間のほか「4ヶ月」や「3ヶ月」という比較的短い期間も設けられています。

事業を継続するには非常に短い上に、この2つの期間は1ヶ月しか違いがありません。

なぜこのような区分としたのか疑問に思うかもしれません。

しかし、実はこのひと月の差が非常に重要で、4ヶ月のビザを取得するかどうかによって中長期在留者になれるかどうか変わってくるのです。

中長期在留者に該当しなければ住民登録ができないため、その後の各手続に支障をきたしてしまいます。特に日本に協力者のいない、独力で経営管理ビザを取得しようと考えている人にとっては大きな問題です。

中長期在留者にならなくては会社設立をするために必要な印鑑登録、銀行口座の開設等もできません。

そうすると日本に協力者のいない、1人の外国人の方が会社設立からその後のビザの取得までたどり着くのが困難になってしまうのです。

会社の設立前でも4ヶ月という期間ならビザが取得できるようにすることで、こうした外国人の方でも対応できるようにと設けられているのです。

そのため、外国にいても在留資格の申請が可能であること、費用が比較的少なくて済むことが4ヶ月ビザを取得することの大きなメリットと言えます。

通常は1年の在留資格申請をするとき、会社の設立を事前に住ませておかなければなりません。

上述の住民登録ができないことの問題の他、事務所の賃貸料が多く必要になるなどの費用面の問題も出てきます。

ビザ申請の審査には時間がかかりますので、その間賃貸料が無駄にかかってしまうのです。しかも最終的に許可が下りなければ会社設立にかかった費用も無駄になってしまいます。

4ヶ月ビザを利用して準備をすることでこうした費用を抑えることが期待できますが、その際に注意しておきたいことがあります。

4ヶ月ビザによって、協力者のいない外国人でも形式上は起業しやすくなっていますが、それでも実際問題として不動産契約の締結銀行口座の開設が難航してしまうという課題は残っています。

例えば不動産の契約には、自身が住む場所の契約と、事務所の契約とがあります。

賃借した一室で事業を営むことができないケースもあり、また連帯保証人がいなければオーナーにも断られやすいです。

銀行口座についても、4ヶ月という短い期限の在留カードでは開設をしてくれない場合があります。いずれにしても対応してもらえる相手方を探さなくてはなりません。

また、4ヶ月ビザは準備期間としての意味合いが強く、4ヶ月経過後の更新で許可が下りない可能性も十分ありますので注意しましょう。

経営管理ビザを取得するスケジュール表

経営管理について1年以上のビザを取得するには、

MEMO
  • 会社設立
  • 税務署への届出
  • 許認可申請(必要に応じて)
  • ビザ申請
  • 入管庁の審査

という過程を経る必要があります。

どのようなスケジュールで進んでいくのか、手続の内容と併せて説明していきます。

会社設立(1ヶ月程)

まずは会社を設立します。

会社設立に必要な、最も基本的な事項は定款の作成・出資・法人設立登記です。そのためには銀行口座の開設や事業所の確保、資本金の準備をしておかなければなりません。

さらにその後の審査を見越して従業員の雇用も進めておく必要があります。

銀行口座の開設や事業所の確保についてはすでに説明した通り、あらかじめ日本にいるパートナーに協力してもらうか、4ヶ月ビザを取得して自らその手続に着手することになるでしょう。資本金は500万円以上が必要であると言われています。

会社設立後は、経営管理ビザの要件を満たすように調整していきます。従業員は、経営管理ビザを取得する本人以外に、常勤雇用者2名が必要です。常勤雇用者は日本人、または

外国人の場合には永住者もしくは日本人の配偶者等でなければなりません。

この会社設立等にかかる期間として、1ヶ月程は必要と考えておきましょう。

税務署へ各種届出(2週間程度)

法人の設立後、関係する様々な書類を税務署に提出しなければなりません。

すべての届出が必須ではありませんが、いずれも届出ておくことが推奨されるものばかりです。

法人設立届出書

一つは「法人設立届出書」です。

法人設立届出書によって、税務署へ設立した会社のことを知らせます。

これは必ず必要な手続です。届出の際には定款のコピーや登記事項証明書、株主名簿、設立時貸借対照表などを添付します。法人設立届出書は会社設立から2ヶ月以内に提出しな

ければなりませんので、期限に注意しましょう。

青色申告承認申請書

次は「青色申告承認申請書」についてです。

法人税の申告方法には青色申告と白色申告の2種類ありますが、青色申告で申告した方が節税対策になります。

確定申告にかかる手間は白色に比べてややかかりますが、基本的には青色申告を選ぶことをおすすめします。会社設立から3ヶ月以内または最初の事業年度の末日までに申請します。

給与支払事務所等の開設届

次は「給与支払事務所等の開設届」についてです。

ビザ取得のためには従業員を雇う必要がありますので、従業員に対する給与を会社の費用として扱うことができるように給与支払事務所等の開設届を提出しておきましょう。節

税対策としても大きな効果があります。

源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

最後に紹介するのが「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」です。

従業員が10名未満の場合、源泉徴収の納付を年2回にまとめてできるという特例を適用してもらうために申請する書類です。毎月納めるのは大変な作業ですので、この申請書を提出しておいて、少しでも負担を軽減するといいでしょう。

これら税務署への届出にかかる期間は、色んな書類の準備なども含め2週間程度を目安に考えておきましょう。

営業許可などの許認可※許可証が必要な職種は(1ヶ月程)

職種によっては許認可を得る必要があります。

その場合、都道府県や保健所、警察署など、行政機関に対する手続を行わなければなりません。

許認可が必要な職種には飲食業や製造業、不動産業、建設業、運送業など、他にも多数存在します。

例えば食品営業を営む場合、まずは施設基準の確認等のため保健所へ相談に行きます。その基準に従い施設に法定の管理者を置くなどの措置をとり、許可申請を行います。その

後行政から確認検査を実施するための担当者がやってきて、判定を行います。その結果許可書が交付されればそこから営業を始められるようになります。

申請から許可が下りるまでの日数は職種によって変わってきますが、1ヶ月はかかると考えておきましょう。

経営管理ビザ申請(1ヶ月程度)

会社設立や税務署への届出、許認可申請などと並行しつつ経営管理ビザの申請準備も進めます。

申請に必要な書類は「在留資格認定証明書交付申請書」「事業計画書」「損益計画表」「申請理由書」など、多数に及びます。

他の手続と同時に進めていくことになりますが、申請準備に1ヶ月程度は必要と考えておきましょう。

出入国在留管理庁の審査(3ヶ月程)

必要書類を提出して申請をした後、出入国在留管理庁による審査が行われます。

問題は申請内容が無事認められるかどうかですが、従業員2名以上の雇用や事業所の確保といった要件を満たしているかどうか、そして事業の安定性も考慮した上で判断されます。

できるだけ安定した事業継続が可能であることを示すため、事業計画書の作成には力を入れましょう。

申請者の経歴についても、学歴や職歴が一つの判断材料として考慮される可能性はあるでしょう。

特に、会社の経営や管理に関する優れた経歴があればプラスの影響を与えることができるかもしれません。いずれにしても重要なのは事業の安定性・継続性が示せるかどうかということです。

審査にかかる期間ですが、法務省のホームページに在留審査処理期間が掲載されていますので確認してみましょう。この期間はあくまで目安であり、時期や年度によって変動があることには注意が必要です。

令和元年7月~9月の許可分で言うと、「経営・管理」における「在留資格認定証明書交付」にかかる処理期間は87.7日となっています。

他の在留資格には「高度専門職」や「技能実習」、「留学」、「教育」など色々とありますが、「経営・管理」は比較的申請にかかる日数が長いと言えます。多くの在留資格では1ヶ月程度、長くても2ヶ月程度ですが、「経営・管理」には3ヶ月程を要しています。

この日数もあくまで平均的なものであるため、入管庁の繁忙期に被るなどすればより長い期間かかることも覚悟しておかなければなりません。

そのため、余裕を持ってビザの申請に取り組むよう心がけましょう。

経営管理ビザ更新にかかる期間

ビザの更新にかかる期間も法務省のホームページから目安を確認することができます。

「経営・管理」における「在留期間更新」は、令和元年7月~9月許可分で32.5日となっています。

更新についてもやはり他の在留資格より少し長めとなっていますが、ビザ取得と比べればその差は小さくなっています。

多くのケースで1ヶ月程度という結果になっています。

ただ、ビザの更新時にも不許可とならないよう気を付けなければなりません。そのためには

  • 黒字決算であること
  • 一定以上の売り上げがあること
  • 税金が完納できていること
  • 適切な役員報酬を設定していること
    など

が求められます。これらをクリアできていればスムーズに更新ができると思われます。

当然、税金の完納はしておかなければなりませんが、必ず黒字決算でなければいけないということではありません。

特に初年度は赤字になることも珍しくありませんので、売り上げ規模や経費、負債の状況などから総合的に判断することになります。

なお税金については法人税など会社に関するものと、経営者個人の住民税などがありますので、プライベートでも納税を怠らないように注意しましょう。

役員報酬については、会社の利益に対して高く設定し過ぎないようにするだけでなく、自身に低すぎる報酬額を設定しないようにも注意しましょう。

小さな会社なら自分で自由に役員報酬を決めることもできますが、報酬を減らしすぎると、どのように生活しているのかと疑問視されることがあります。

会社の利益を大きく見せるため、また個人的な節税を目的に報酬を下げていると思われないよう、適切な報酬設定を心がけましょう。

経営管理ビザの期間のまとめ

経営管理ビザを取得するまでには多くの準備物が必要で、手続も多くあります。何事にも時間がかかるため早めに準備を進めていくことが大切です。

経営管理ビザは審査も厳しいという特徴があるため、審査期間も3ヶ月以上はかかると考えておき、他の手続も含めるとより長い時間が必要となります。会社設立や、設立に伴う税務署への届出、職種によっては許認可申請もしなければなりません。

無事取得ができても、更新が毎年必要となるのでは手間も増えてしまいますので、できるだけ早く長期の許可を得られるように目指すと良いでしょう。

この場合には特に念入りな準備が必要となりますので、プロに任せて手続を進めてもらいましょう。

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